ライフスタイルは買えるのか

アマチュア旅人。ライフスタイル研究家。しがない会社員27歳♂。日々が豊かになるマインドセットやチップスをポストしていきます。

【Trip/Paris】僕がコレットを好きな理由

about Trip…

Life is Journey。旅は人生の縮図である。旅は我々に空間性を取り戻させてくれる。旅は都市生活に埋もれた感性を呼び覚ます。健全なマインドと豊かな人生のために、定期的に旅に出よう。

 

 前の記事でパリをこれでもかと礼賛しました。笑

crescentallifestyle.hatenablog.com

今回はそのスピンオフとして、パリのセレクトショップcoletteを好きな理由について書きたいと思います。

 
 コレットといえば、パリを、いや世界を代表するセレクトショップ。業界人からも常に動向が注視され、ファッションに限らず尖った視点でセレクトしている。
 

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 フロアは3つ。1Fはすごく上品なドンキホーテ(のっけからなんて表現をするんだと思われるかもしれないけど笑)といった感じで、ガジェット、フレグランス、CD、ステーショナリー、写真集、そしてTシャツ類が並んでいる。ドンキと表したのは、行くたびに違う目線で新しい発見があるところが似ていると感じるから。そのため滞在中何回も覗きに行きたくなる。
 

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 2Fが本格的なファッションブティック。メンズに関して言えば、ラインナップが、トムブラウン、サンローラン、モンクレール、プリュスぐらいなので、庶民が気軽に手が出せるものはない。笑いながら眺めるしかなかった。笑
 

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 最後は地下1Fだが、ここは世界中のミネラルウォーターを集めたウォーターバー(兼レストラン)となっているが、僕は入ったことがないので詳しくは他所へ譲る。
 
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 そのパリ随一のセレクトショップがなぜ素晴らしいのか、自分なりに感じた理由を書き記したいと思う。
 
 
 

■規模を小さいまま維持しているから

 
 ボブ・ディランが2016年のノーベル文学賞を受賞したことは記憶に新しい。その授賞スピーチで(正確には代読だが)、ボブ・ディランは受賞の難しさを評して、次のように語っている。
 
パフォーマーとして私は5万人を前にプレイしたことも50人を前にプレイしたこともあります。そして、50人を前にプレイするほうが難しいのです。5万人は1つのペルソナとなりますが、50人はそうではありません。1人1人が、それぞれ別の違ったアイディンティティ、言葉を持ちます。彼らは物事をより明確に見抜くことができるのです。あなたの誠実さ、それが才能の深さとどう結びつくのか、試されるのです。ノーベル委員会は小さい、これが意味することを私は理解しております。”
(和訳はこちらより引用:https://www.barks.jp/news/?id=1000135939
 
 僕はこの話がすごく好きで、非常に真理を表していると思う。思想が薄まっていない小規模なものほど強いものはないと。
 
 僕は、ボブ・ディランの言う”ノーベル委員会は小さい”の意味するところを、コレットが熟知していると思う。そう、”コレットは小さい”のだ。
 
 実店舗1つのみ。それも、これが世界中に名声を轟かせるセレクトショップなのかって驚くほど、小さい。3フロアあるけど、各フロアは新宿のビームスジャパンの1フロア程度だと思う。
 
 不必要に図体がでかくなっても仕方がないことを知っている。常にエッジィであることが求められるセレクトショップは、その定義から言って巨大化することは向いていないのだ。恐竜が滅亡したのと同じで、でかくなって小回りが利かなくなったらおしまいだ。自分たちの手の届く範囲でやっている、だから強いのだ。
 
 このあたりは、欧州特有のセンスなのかもしれない。日本で某三代目が着てから人気沸騰中のピガールも、本店は嘘でしょってぐらいすごく小さい(たぶん6畳半ぐらい)。日本に溢れる大手セレクトショップみたいに、規模の経済性に頼る経営に走らない。なにより、そうしたところで彼ら自身がつまらなくなってしまうことを、分かっているのだと思う。
 
 それにしても、コレットはいつ行ってもイベント会場のように人がごった返しているから、さすがにもう少し店舗を大きくしてもいいんじゃないかとは思う。笑
 
 
 

■店員がみんなファッションアイコンだから


 そりゃもちろん世界一のセレクトショップのスタッフなんだからオシャレに決まってるんだけど、そのバリエーションがすごい。


◇ネルシャツに黒のシンプルなカーディガンのシックなムシュー(背中を見たら四つ糸でした)
 
◇ちょっと首元がヨレた、お気に入りのプリントTシャツをデニムにタックインしたお兄さん
 
◇シュプリーム×エアージョーダンのプルオーバーを着ている黒人さん
 
アムステルダムのスニーカーブテッィク"Patta"の派手なカラーリングのTシャツを着たお兄さん
 
◇筋肉が一張羅ですって感じのシンプルな白Tのマッチョなアニキ

 僕は『すべてを見渡した中から自分が一番気に入ったものを着こなしていること』がオシャレであることだと思う。フラットな目線と、自分自身が必ず選択の軸にあること。coletteの店員さんは、みんな上から下までオールジャンルを見たうえで、自分の軸で選び取っている。それこそ、コレット1FのストリートTから、2Fの奥に並ぶトップブランドまで。

 クリエイティブディレクターのサラは、新しいブランドを見つけ方として、InstagramからLVMH賞やANDAMなどのアワード、クチコミまでのすべてにアンテナを張り巡らせているという。そのうえでバイイングのポイントは、一目惚れ。この感覚が、隅々まで行き届いたショップだなと思う。

 日本でよく聞くアパレルの勤務のマナーに、自分のとこの商品を着なきゃいけないノルマなんてあるけど、もうそれがダサい。それはある意味で、自分のところの店員を信じていないということだ。センスを買われて雇われているコレットの店員さんは、みんながitアイコンというか、その人が着たらもうスタイルになってしまうような強さがある。
 

■ディスプレイにプライドを感じるから

 
 コレットの店内は、前述の通り、常に混雑している。それでも、商品の陳列がすごく綺麗なことに気づく。
 
 注意して見ていると、スタッフがきちっと手で整えている。スッとバックルームに入ったかと思ったら、布巾を持って来て、惚れ惚れするような所作で埃を払った。例えば、アートブックの陳列、あるいはTシャツのかかったハンガーの間隔。こんなに混雑した店内であっても整頓を怠らない。
 
 見せ方までもがショップの商品なのである。ディスプレイに関する神経質なまでのこだわりに、一流のプライドを感じた。
 
 

■セレクトの感度がとても高いから

 
 まあ、本業の強さに尽きる。ファッションだけでなく、ガジェット、アートブック、コンピレーションCDまで、その選美眼はすごい。
 
 嬉しいことに、日本の製品も結構並んでいた。バイヤーが年一回は来日しているそうだ。それにしても、並んでるのが、日本の鹿に特化した写真集とか、日本で見たこともないようなアイデアキッチン用品とか、素直に「よく見つけてくるなあ」と思う。
 
 ある程度のラインナップは、お店のオンラインショップでも見られる。ついでに言うと、日本にもDHLで送ってくれる。見ているだけでも楽しいので、たまに覗いている。新しいもの好きな人にはおすすめ。

 

 

■最後に

 
 こうして思いながら書いていると、コレットにまた行きたいなあと思う。なんというか、あの空間でこそ吸収できるもの、感化されるものがあると思う。
 
 と、若干ミーハーになっている僕からのリコメンドで恐縮ですが笑、これを機会に興味を持ってもらえたら嬉しいです。ルーブルの程近く、サントレノ通りにあるので行きやすいと思います。パリに行かれた際は、トレンドの発信源にぜひ足を踏み入れてみてください。
 

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